その食欲は「本当の食欲」ですか?

診察室でかならず聞く質問に「食欲はありますか?」というのがあります。

ペットの来院理由の中には「ご飯を食べない」(食べる量が少ない)というのがよくあります。
食欲が落ちてきたらそれは病気のサインであることが多いです。
しかし、病気の初期は特に
「食欲はないけど元気はある」
という状態の事が多いのです。
一見して、元気はあるものだから飼い主さんが病気とは思わず
「このご飯に飽きちゃったのかな?」
ということで缶詰やササミを混ぜてもらったり、フードのメーカーを変えてもらったりすると具合が悪くて普段の食餌は気が進まないペットもいつもより美味しそうなご飯だとつい食べてしまい、飼い主さんも安心してしまう、ということがあります。
でも、これは当然「本来の食欲」ではありません。
だから、いつもよりグレードアップしたごちそうも、病気がすすむとまた食べなくなります。
このあたりで飼い主さんは初めて「あれ?これも食べない。どこか悪いのかしら?」となることが多いようです。

診察室で問診をしていると
「一週間程前もいちど食べないことがあったけど、すぐまた食べだしたので様子をみていた」
といわれる事があります。
が、よくよく聞いてみると
「食べないからササミを混ぜたら食べだしたので安心していたが今日はササミも食べない」
というように、すでに最初の徴候から何日か経過してしまっているというケースが少なくないのです。

普段から食欲ムラのあるペットの場合は判断が難しいのですが、
普段はなんでもよく食べるペットが「いつもと同じごはんを食べない」というのは立派な病気のサインです。
いろいろと食餌に手を加える前に、どこかおかしいところがないか注意して見てあげて下さいね。